育休延長条件・手続き方法は?最長2年まで育児休業給付金受給できる
育休(育児休業)とは、子育てをするために、休暇を取ることが認められる制度となります。
育休を取得している間は、会社を休むことになりますが、給料の代わりに、育児休業給付金というものを受給することができます。
この育休ですが、基本的には、子どもが1歳の誕生日を迎えるまでの取得となっています。
しかし、定められた期間よりも、条件を満たした場合には、延長することが可能となっています。
そこで、ここでは、どのような条件の場合に、育休の延長をすることが可能なのかについて、くわしく見ていきたいと思います。
目次
育児休業給付金の受給期間・金額・対象とは?
そもそも、育休を取った際に、育児休業給付金(育休手当)は、どれくらいの期間、受給できるのでしょうか。
また、どのような人が、対象となるのでしょうか。
育児休業給付金(育休手当)の受給期間は?
産後8週間は、産後休業期間になりますので、育休はその後から取得することになります。
つまり、育休が開始するのは、出産の8週間後となります。
育休手当は、1年間支給されるのではなく、子どもが1歳になるまでが給付期間となります。
育休は、産後8週間の産後休業が終わってからの取得になるため、育休が開始した時点で、お子さんは生後約2ヶ月ということになります。
そのため、育休手当の支給期間は、10ヶ月程度となります。
ただし、男性の場合は、子どもの出生直後から育休を取得することが可能となりますので、1年間育休手当が支給されることになります。
育児休業給付金(育休手当)の受給金額は?
育休手当の支給金額の計算方法としては、まず、賃金日額を算出します。
賃金日額は、休業前の6ヶ月の給料から算出されます。
育休手当の支給額は、育休開始後半年までと、6ヶ月を経過したのちとで計算方法が異なります。
子どもが1歳になるまでの間、上記の金額を受給できることになります。
育児休業給付金(育休手当)の受給対象は?
育休手当が支給されるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 雇用保険に加入し、保険料を支払っている
- 育休開始前の2年間に、賃金支払い基礎日数11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
- 育休中に、休業開始前の1ヶ月の賃金の8割以上が支払われていない
- 育休中の就業日数が各1ヶ月に10日以下である
- 育休取得後、退職予定がない
これらの条件を満たしていることが前提となります。
受給資格を満たしている場合で、基本的には、子どもが1歳になるまでの育休期間ですが、どのような条件の場合に、延長することが可能なのでしょうか。
育休が延長できる条件とは?手続き方法は?
基本的には、育休手当を受給できるのは、子どもが1歳になるまでとなります。
この育休手当を延長できる場合というのは、以下の2つの場合となります。
- パパ・ママ育休プラス制度を利用した場合
- 特別な事情がある場合
それぞれについて、くわしく見ていきたいと思います。
パパ・ママ育休プラス制度を利用した場合
パパ・ママ育休プラス制度とは、父親の育児休業を推進するための制度となります。
この制度を利用して、両親ともに育休を取得した場合には、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休期間を延長することができます。
この制度を利用するための条件は以下となります。
- 妻が、子どもの1歳到達日以前に育休を取得している
- 夫の育休開始予定日が子どもが1歳になる日以前である
- 夫の育休開始日が妻の育休期間の初日以後である
ただし、育休の期間は、親1人につき1年間までとなります。
特別な事情がある場合
また、上記以外にも、育休期間を延長できる場合があります。
子どもが1歳の誕生日を迎えても、以下の条件を満たす場合には育休は延長することが可能となります。
- 入所を希望したが保育園に入れなかった場合
- 子の養育を行っている配偶者の死亡や病気などで、子どもの養育が困難になった場合
上記の理由がある場合には、1歳6ヶ月まで育休手当の受給を延長できることになっています。
また、平成29年10月からは、上記の理由により、育休手当の受給を延長する必要がある場合には、子どもが2歳になるまで、延長できるようになりました。
近年、保育園の入園に落ちてしまうという待機児童が問題となっています。
しかし、これを逆手にとり、育休延長を目的とした保育園の入園申し込みを行うという問題も起こっています。
このことによって、落ちるのを見越して、保育園に申し込む家庭が増えることで、本当に保育園に入りたい家庭が入園することができなくなってしまっているとのことです。
育休の延長というのは、希望しているにも関わらず、どうしても保育園に入れなかった場合の救済措置です。
そのため、子どもと少しでも長く一緒にいたいという場合には、パパ・ママ育休プラス制度を活用することが望ましいのではないでしょうか。
育休を延長するための手続きは?
それでは、育休の期間を延長するための手続きはどのように行えば良いのでしょうか。
育休を延長する場合には、育休が終わる前に、申請を行う必要があります。
特別な事情がある場合には、育休の延長は、2回行うことが可能となります。
1回目の延長は子どもが1歳6か月になる前日までで、2回目の延長は2歳になる前日まで期間を延長することが可能です。
育休の延長の手続きは原則、会社で行うことになりますので、会社に延長したい旨を伝えたうえで、必要書類に記入します。
申し出は、延長開始の2週間前までに、会社に対して行う必要がありますが、余裕を持って、早めに申請するのが良いでしょう。
育休の申請には、育児休業申出書という書類が必要となります。
育児休業申出書を会社に提出すると、会社では、その情報をもとに、育児休業等取得者申出書を作成し、日本年金機構へ提出することになります。
また、特別な事情で延長する場合は、延長理由を証明するための書類も必要となります。
延長理由を証明するための書類とは、保育所に入れなかったことを証明する不承諾通知書という書類や、医師の診断書などとなります。
会社は育休延長を拒否できる?
上記の条件に該当した場合には、育休を延長することが可能です。
そうすると、会社にとっては、より長い期間、労働力が失われてしまうことになりますよね。
このような場合には、会社側は、育休の延長を拒否することができるのでしょうか。
会社の都合によって、育休延長の申請を拒否することは違法となります。
育休延長の申請に必要な書類がそろわないなど、従業員側に問題がある場合に、延長申請を却下することは可能となります。
必要に応じて、育休の延長は2年まで可能!
上記で見てきたように、必要に応じて、育休の期間を延長することが可能となります。
希望しても、保育園に入園できない場合などは、育休の延長を行うことが望ましいですが、そうではない場合などは、パパ・ママ育休プラス制度を利用するのが良いでしょう。
母親と父親が、それぞれ育休を取得する時期を、状況に合わせて、上手くズラすことも可能な制度となっています。
出産時には、産休の手続きなどバタバタしているものですが、この育休の延長制度に関しても、2週間前前でに申請しなければいけないなど、注意点がありますので、忘れないようにしましょう!